「畳の大きさを規格化したのは織田信長」という説がある。
しかし京間や江戸間などのように、今でも日本各地で畳のサイズが異なることを考えるとどうやら疑わしい説であるようだ。 むしろ畳の長い方の長さ「一間(いっけん)」という単位が、家屋の固定資産税を算定するための基準として使用されるようになり、それにより自然と畳のサイズが決定したと考えられる。 また単位というものは税の基準となる場合、より多くの収税を計ろうとする為政者によってかなり都合よく変えられてしまうことが多い。そのためこの一間にしても、時代や土地によって異なる。 だから実際のところ、畳の大きさを戦国時代に規格化したとしても、その後にだいぶ変化してしまい現在まで同じサイズを利用しているとは言い難い。 とはいえ室内で敵に襲われた時に備えて、畳を立てることにより即席の防壁として利用することは想定していたようである。人間一人が陰に隠れるには充分なサイズであり、弓矢・鉄砲も貫通させづらい厚みを持つ。 ただし、そういうことは織田信長以外にも考えつく人間があってもおかしくはないことだ。一概に「信長」といい切れるものでもない。 革新的な思考や進歩的な技術は、無名の何者かによって考え出される事が多い。それが伝えられてゆくうちに、皆が知るビッグネームが足され、他所の土地に伝わる気の利いた説話が足されして成長してゆくものだ。 この畳の逸話も誰かの頭で「刀や鉄砲→戦国時代→織田信長」というキーワードが繋がった末に生まれたものだろう。
by muzina-giku
| 2007-04-27 23:25
| 理系
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