道具に合わせた表現を考える
 ケータイ小説というものが流行っているらしいが、文章技術としてどうなのだろう。
 巧いか下手かということではなく、狭い画面の中では長い文章が書けないだろうという道具の制限という観点からの疑問である。

 ストーリーを前面に出したコンピューター・ゲームでは、画面の一部に文章の表示されるウィンドウがあり、その中に入り切る文章量でないとゲームのテンポが悪くなる、という問題があるそうな。そのため一行につき約27文字(読みやすい大きさの文字で横幅いっぱいに表示できる文字数がそれくらい)以内の文を書き、それを一回の表示につき3行ずつ表示し、その文章量で一つの情報として完結させるという技術が必要なのだそうだ。

 ゲーム内での文章を例に出したが、携帯電話の画面でも事情はそれほど変わるわけではなかろう。一回の表示で、読者に理解できる程度の簡潔な描写と、頭に入る程度の情報量が肝要だ。
 そうした理由からだろうか、ケータイ小説で取り上げられる作品の多くは、読者層として想定されてる若い女性(多くは女子高生)を主人公にしたものである。少ない情報量で登場人物に親近感を湧かせるためには、読者に近いキャラクターを設定した方が説明が少なくて済むのだろう。確かに「どこぞに存在するナントカ王国の、輸送機関として利用されている馬の品種の話」を語るのには携帯電話の画面分の文章量では荷が重過ぎる。

 ただ「説明が不要」の観点から、設定が似たストーリーばかりになってしまわないか、手軽に感動をバラ巻くために安易に泣かせに走ったりはしないか。粗製乱造でジャンルごと死んでしまうことは、文化の世界ではそれほど珍しいことではないため、早めに次の手を考えておく必要があると思われる。
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by muzina-giku | 2007-03-14 23:37 |

斬るものなんでもヤワラカ仕上げ
by muzina-giku
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