読んじゃあいないんだが、例のアレの「自殺志願者をつかまえて特殊な契約を結ぶ」などという粗筋で、ジェイムズ・ティプトリーJr.の『接続された女』を思い出してしまったのだ。容姿に恵まれぬことを悲観して自殺しようとしていた女性が、完璧な容姿を持ちながらも脳味噌を持たない女性を演じるという話なのだが、そのあまりに救いのない結末に忘れられぬ作品となっている。
時折こうした歪で苦味しか感じないような作品を強烈に求めてしまうことがあるのだが、こうした読後感の作品は「子どもの教育に悪い」などと言われそのうち抹殺されてしまうのかねえ。まさに人体を取り替え可能な機械としか見なしていないし、しかも主人公の人格は完全に否定されてしまってるし。しかし現実にあり得ない状況を扱うからこそ語れる物語があり、痛みと残酷さでしか表現出来ない人生の形があるはずなのだがね。 同じように、機械に接続されることで世界を魅了するスターとなる女性の物語として、ジョン・ヴァーリィの『ブルー・シャンペン』がある。こちらは少しだけ結末に救いはあるけれど、やはり苦さの方を強く感じる。 ■
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by muzina-giku
| 2010-12-19 00:26
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