カテゴリ:気になる言葉( 238 )
魚嵐
 日常で使用頻度の非常に高い外来語に漢字が当てられることが割とあるのだが、時々「それは漢字が必要?」と疑問に思われる事例も存在する。

 例えば、以下の漢字などがそうだ。
c0041164_0274549.jpg


 魚偏に嵐で「ぶりざーど」と読む。日本で作成された国字だというが、読み仮名に長音記号が入っているのが何だか奇妙だ。しかも、UnicodeのCJK統合漢字拡張Cの中にこっそり放り込まれていたりもする(U+2B679)。ただいくらUnicodeで制定されていてもフォントが用意されていない環境がほとんどなので直接表示することは難しいけれど。

 この漢字、一説には暴走族の落書きが発祥元だと言われており、この漢字を街で偶然見た学者が記録に収めちゃったとか何とか。で、ブリザードが気象現象なのに魚偏なのは、出世魚であるブリをイメージしてという説があるそうな。

 非常にツッコミどころ満載の漢字であるが、ネタとしての威力は抜群。しかしほとんど使う機会がない、それこそ暴走族の落書きぐらいしか用途のない言葉に、漢字が当てられるというのも変な話である。
[PR]
by muzina-giku | 2013-01-27 00:30 | 気になる言葉
コーヒーはブラック派
「砂を噛むような」という慣用句は、味気ないことの意味で使用されるのが正しいが、ごくたまに「砂を吐く」の意味で使用するものに出会う件。

「砂を吐く」は味気ないことの逆の意味で、ベタベタの恋愛話に接した際に気恥ずかしい思いをすることである。コーヒー紅茶に飽和溶解度の上限をはるかに越えた砂糖を投入し、溶けきれずにカップの底に残った砂糖を、あまりの甘ったるさゆえ口から吐き出す様子に喩えた言葉のようであるのだが、何かのはずみで「砂糖を吐く」から「砂を吐く」に変化してしまった模様。

 主にマンガ・アニメの愛好者、いわゆるオタクと呼ばれる人種が用いる用語であるが、その中でも特に腐女子が用いるのだそうな。まあ、ある意味で特殊な恋愛を扱う人種であるので、その界隈で通用する特殊な用語という位置づけなのだろう。

「砂を噛む」と「砂を吐く」が混同されるのは、同じ「砂」という単語を用い、それが口の中にある様子を示しているからだと思うのだが、混同されるのに逆の意味なのは面白い。どちらもザリザリとした粒子が口の中で不快な感触を伴うのだが、粒子に味が有るのか無いのか、それだけの差なのである。
[PR]
by muzina-giku | 2013-01-19 00:19 | 気になる言葉
しつこくねだるとウザがられる
「慌てる○○(自粛)は貰いが少ない」という諺があるのだが、言葉狩りに遭ってしまった単語が使われているために、公の場所では使用しづらい。意味は、「欲望に焦って大騒ぎすると却って損をする」ぐらいの感じであるが、使い所が多いのに使えずにもどかしい限りである。

 そういう言葉狩りの影響か、イギリスの劇作家ジョン・ゲイの作品『The Beggar's Opera』のタイトルは、現在『ベガーズ・オペラ』という単にカタカナ化しただけのタイトルに翻訳されているが、昔は別の訳であった。単純カタカナ化は翻訳としてはかなりつまんない部類に入るのだけれど、同作品のベルトルト・ブレヒトによるドイツ語翻訳・改変作品『三文オペラ』は気の利いた翻訳じゃないのかな。

 ともあれ言葉狩りで使えなくなった諺を、似たような意味を表すにはどうしたら良いのかという話になってゆく。意味が近い諺を引っ張ってくるか、あるいは自分で作ってしまうかだけれど、どっちもまた乗り越えるべきハードルは大きかろう。
[PR]
by muzina-giku | 2012-11-25 00:52 | 気になる言葉
染み付いた王様体験はなかなか抜けない
 夏頃にいじめ自殺が社会問題として多く取り上げられていたせいか、アメリカ発祥の「スクールカースト」という言葉が教育の場などで一般的な用語となっていた模様。インドのカースト制度のように、属する集団によって学校内の地位が決まり、それにより学生生活が天国か地獄かが左右される現象を示す言葉だ。

 元々のアメリカに於いては、上位がジョックと呼ばれるスポーツ選手やそれを応援するチアリーダーたち、下位はオタク(理系、ガリ勉、音楽など各種分野)となっている。アメリカの学校においては優秀なスポーツ選手が活躍することにより、寄付金を集める経営方針となっていることが多いので、どうしてもスポーツ選手が優遇されるのだが、でも奴ら勉強しないからすごく馬鹿なんだぞという側面もあり。

 だが、そういう優遇措置も在学中だけの話で、有力スポーツ選手たちもプロ入りなどで社会的地位が得られるのは一部の者だけ、他は特筆することのない人生を送ってしまうらしい。しかし学生時代の上位カースト・王様体験は抜けないらしく、傲慢で頭の良くない人間になってしまうこともしばしばだという。

「田舎のガソリンスタンドの親父で、カッとなるとすぐ嫁を殴る」というタイプが典型的なジョックの成れの果てなのだそうだが、まあ想像ができないでもない。そしてジョックに虐められていたナードが妙なスキルを開花させてベンチャーを立ち上げていたり、技術系の職場に潜り込んでいたりして、かつてのカーストを逆転させているのも一般的な光景だそうな。
[PR]
by muzina-giku | 2012-11-02 00:04 | 気になる言葉
生死の境(流行語の)
 流行語の話をしていると時々出てくるのが、マスコミが流行らせようとしているのに結局定着しなかった「なんちゃって流行語」というもの。はやらせようという意図があるのだからメディア等でやたらと使用して接触する頻度自体は高いけれど、言葉の示す対象自体に実体がない、言葉のセレクトが対象にマッチしていないなどの理由から、使用されなくなると同時に忘却されてしまうたぐいの言葉である。

 その手の言葉として、個人的に挙げておきたいのは「カウチポテト族」と「ジベタリアン」であろうか。

 前者の「カウチポテト族」はカウチ(ソファー)に芋のように転がり、テレビやビデオを終日ダラダラ見る人々を示すアメリカの俗語。日本では「ポテトチップスをつまみつつ」と付け加えられることも多い。おそらくレンタルビデオ業界が、そのような生活形態を持つ顧客が増えることで売上がアップすると見込んでいたようだが、カウチを一々ソファーと言い換えるなど面倒くさい説明を付け加えなければならないからか、定着し切る前に流行語としては終了してしまった感がある。ただ、概念そのものは「ビデオ見ながらゴロゴロする」という言い方に残っているようだが。

 後者の「ジベタリアン」は繁華街や駅前など、公共の場で辺り構わず座り込む若者のこと。彼らが邪魔で見苦しいと感じ、流行語によりひとまとめに恥ずかしい名称を付けて流行らせる意図は明らかであるが、気づいてみると所構わず地べたに座る若者自体がめっきり減ってしまった感じがする。出現地自体が消滅というわけではなかろうが、複数の若者でたむろすることが減ったからなのかも知れぬ。

 どのみち生き残れなかった言葉というのはどこか座りの悪い代物で、死んでしまうのも仕方ない気はする。一方で出自は流行語であっても、きちんと生き残る言葉はそれだけの理由があるということだろう。
[PR]
by muzina-giku | 2012-07-23 23:35 | 気になる言葉
「なんだ、いつもの日本か」とコメントされるので
 海外サイトの翻訳ブログなんかで、日本発祥の奇怪なネタを見て外国人が「また日本か」「なんだいつもの日本か」とコメントする様子を見て、原語でどのように表現しているのかが気になった次第。おそらく意訳なのでニュアンスは変わってしまうのだろうけれど、こういうのってネット定型文みたいなものだから知っておいて損はなかろうと思ったのだ。

 で、多分「another ordinary day in Japan」が「いつもの日本」と訳されているやつ。厳密には「日本では決まりきった日常」とされるところだが、定型文になることでいくぶんバカにしたニュアンスが追加されているのだと思う。まあ、大概は日本人が見ても馬鹿馬鹿しいネタにつくコメントなので、呆れられても仕方がなかろう。

 また「Only in Japan」「Fuck Japs」というのもあるのだが、前者は「日本だけだろ」で後者は「(検閲されがちな単語)+ジャップ」と訳されるところだが、多分定型の訳語があるのだろう。賞賛なのか、貶しているのかは分からないが、頻出するので一々訳す必要のない語として扱っても問題はないと思う。
[PR]
by muzina-giku | 2012-07-18 23:31 | 気になる言葉
変態猫好き野郎ども
「猫LOVE男子」なる言葉が情報番組で紹介されていたらしい。定義としては独身一人暮らしで猫を飼育している男性であるとのことだが、そうした人種を恋愛に飢えている女性が「猫を世話するみたいに女性にも尽くしそう」と不可解な幻想を抱くと紹介したせいで、ネット上で少なからぬブーイングが起きているそうなのだ。

 そもそも何にでも恋愛を絡めて考えるその態度が気に喰わぬし、女性と猫様を同列に扱う時点でおこがましいと感じる。基本的に
猫ちゃん>>>>>>(越えられない壁)>>>スイーツ()
であるので、猫と同等に扱ってもらえると思ってはいけない。

 関係無いけれど「猫好き男子」で検索した後に「men love cats」で検索したところ、Google翻訳でその手の男性を「不気味またはゲイのどちらかです」と訳したサイトが出てきて笑う。不気味という語については原文はcreepyだったが、意訳で「変態」としても良さそうだ。その手の変態に普通の恋愛観を求めるのであるからマスメディアは滑稽であるとの結論で結んでおきたい。
[PR]
by muzina-giku | 2012-07-04 23:20 | 気になる言葉
死語の冷凍力
 往年の流行語を、死語となってしまった現在になって耳にするとどんな反応をするのかを知りたくて、会話の中に「ナウなヤングがディスコでフィーバー」というフレーズを会話に混ぜてみた。結果は「うわあ」という感想だそうで、かなり居心地が悪かったようである。

 上記のフレーズは特に極端なやつなので、存在自体がほぼネタと化しているけれど、似たような反応を引き起こす言葉は探せば他にもありそうだ。まあ、探したからといってどうなるものではないけれど、言葉一つで嫌な空気を作り出せるのは使いようがある状況なのかもしれない。

 今現在にしたって、日々新しい言葉が続々と生み出されているわけだが、その中の大半は何年もしないうちに忘れ去られていくものであろう。そしていくらかは、冒頭の「ナウな〜」的な存在もあるだろうから、居心地を悪くする武器は続々と生産されていくことだろう。

 そういうことを考えながら、「ロールキャベツ系男子」「てへぺろ」あたりは将来的には居心地悪くする系死語になるのだろうなあと予想する。
[PR]
by muzina-giku | 2012-06-26 00:29 | 気になる言葉
言葉への感度と理解力(要らぬダメージを受けぬため)
 生半可に流行語を覚えて使ってみたはいいけれど、意味がずれてて周囲の人が微妙な気分になる現象に名前がついたら良いのにな。昨年のサッカーワールドカップ予選の際に、気温が大変低いのを「アウェイの洗礼」と表現したマスコミがあったが、ああいう如何にも覚えたての言葉を使いたくて仕方ない空気をどうにか表現できないかと思う。

 最近ではある女優が「腐女子」という言葉をかなり間違った用法で使用し、本来の腐女子各位にバカにされているという。元々は、通常ではない嗜好を持つ人種の方々が自らを自嘲的に語るための用語であるので、あまりオープンに語られると困るというのが腐女子の方々の主張であるが、まあその女優も賢くはなさそうだからなあ。

 そして、あるTV局においては「ぐう蓄」なる用語が使用されたとのこと。ちなみに本来は「ぐう畜」と表記し、「ぐうの音も出ないぐらい畜生」の略だとされる。主に野球ファンの間で使われ、発言が「畜生レベル」の選手を意味するらしい。例えば弱小球団から人気球団へとFA移籍した選手が、古巣に対して後肢で砂をかけるような発言をした場合に使われる。なので「蓄」の字は誤字となるけれど、TV局では「畜生」は使いづらい言葉であるということにしておこうか。

 日本語は新語が作りやすい言葉であるために、ちょっとの時間で訳の解らん言葉ができてしまうけれど、だからこそそれらを使用するには注意が必要なのじゃなかろうか。上記の例のように意味をわかってないまま使って恥をかいたり、また流行語をやたらと使って文章を書きためたら10年後に読み返して精神的なダメージを負ったり。そういうマイナス面も客観的には楽しいのだが、自分でやらかすと大怪我である。
[PR]
by muzina-giku | 2012-06-06 00:46 | 気になる言葉
ネットスラング「ディスる」
 最近頻繁に使用されているネットスラングとして「ディスる」というものがある。語源は諸説あるけれど、否定形を作るための接頭語「dis-」を日本語の動詞化したという説と、「disrespect」という単語を省略したとの説が有力だとされている。

 ともあれ「ディスる」の意味自体は、「批判する」とか「馬鹿にする」のように否定的な評価を与えることなので、あまり多用するのも憚られる言葉であろう。説明をなおざりにして流行語一つで「ディスる」では、貶められた方の気持ちがモヤモヤするのは間違いなく、また相手が喧嘩っ早い方であればそのまま血を見る事態にもなりかねない。なので使用頻度は程々にすべきであろう。

 でも、「ディスる」と英単語の一部だけ抜き出しての動詞化であるので、きちんと調べるまで元々の単語が何なのかにまで意識が向かっていなかったのも確かである。軽蔑の意味もあるのでついつい「despise」かと思い込んでいたのだが、「disrespect」だったので。主にアメリカのヒップホップアーティストが多用する単語らしく、自分たちの表現をぶつけるために先ずは周囲をディスって攻撃しまくるところから徐々に新語として固まったという経緯らしい。
[PR]
by muzina-giku | 2012-05-29 00:50 | 気になる言葉

斬るものなんでもヤワラカ仕上げ
by muzina-giku
最新の記事
鼻行類もいいけど、ハネジネズ..
at 2013-12-01 11:15
おとなめがね
at 2013-07-30 23:34
二ヶ月ぶり
at 2013-07-20 23:16
母ちゃんは許しません
at 2013-05-13 22:50
今年は今のところ借金なし
at 2013-05-11 00:03
ミミズ文
at 2013-05-07 23:12
知恵熱
at 2013-04-30 22:54
チヤホヤされたい
at 2013-04-25 23:38
圧力鍋に釘
at 2013-04-23 23:09
魔法のバットをぷいーんと振ったら
at 2013-04-21 00:09
最新のトラックバック
頭の体操的な何か
from 安敦誌
落合監督の「完全試合より..
from 平太郎独白録 親愛なるアッテ..
落合監督の「完全試合より..
from 平太郎独白録 親愛なるアッテ..
ホームズ彗星 観測のお話。
from 熱いニュースのリンク集!
こんな動物番組が許される..
from 水辺のひととき
タグ
ブログパーツ
ファン
検索
記事ランキング
あらかじめ、お断り
*注意*
スパム対策として、
httpを含むコメントが拒否される設定となっています。

トラックバックスパムが多いため、
当ブログへのリンクを含まないエントリーによるトラックバックを禁止しています。




コメント、TB、リンク等はご自由にどうぞ。当ブログ管理者が喜びます。

ただし荒らし、スパム、宣伝目的、などと当方が判断したコメント等に関しては、容赦なく削除される場合があります。あらかじめご了承下さい。



*出張所*
ちまたび屋



カテゴリ
以前の記事
その他のジャンル
ブログジャンル
画像一覧