顔料を用いて皮膚の内側に着色する文化
 大阪市職員の刺青・タトゥー問題について、身近にそうした処置をした人間がいないために今ひとつピンとこないでいる。もちろん写真や、あるいは東京大学で保存されている刺青標本の画像のようなもので、ものすごい存在感であることは理解しているのだが。

 日本においての刺青の文化は、犯罪者に対する懲罰の意味合いが強いため、だからネガティブなイメージが強いのだと思う。懲罰に意味での刺青は簡単な記号を連ねたデザインが多かったのだが、江戸末期に浮世絵で歌川国芳が連作『当世水滸伝』において全身を倶利伽羅紋紋で埋め尽くした勇士の姿を描いた後にはそれを真似た派手な刺青が大流行したのだという。そして浮世絵といえば幕府による風紀紊乱の取締であり、刺青も取締の対象とされることになる。

 このように日本では良くないイメージと結びついてしまった刺青であるが世界に出たらどうなのかとも思う。例えば様々な形態の通過儀礼を記録されているパプアニューギニアなどの南方諸国では、通過儀礼の段階の一つとして身体に刺青を入れる風習を持つ部族もある。そのような場所では、刺青を入れることは成人したことを示す証として誇るべきことであり、逆に刺青のないことが未成熟であると侮られる原因となる。

 また、理由として多くはないだろうが、危険な仕事に従事する者がイザという場合に遺体の身元確認に用いるため、刺青を入れるということはありないだろうか。ただし、この場合であれば現在であれば体内にマイクロチップを埋め込むという手段を取るのであろうから、刺青でなくともかまわぬのだが。

 それから刺青といっても、身体に通常有り得ぬ模様を描く刺青ではなく、眉毛メイクやアイシャドウを簡略化するために施す刺青というものもある。しかしこれらは方法は刺青であっても、見た目は刺青に見えぬので、刺青という意識からは外されているのかもしれない。

 しかし今回の大阪市の場合は、個々の事情を問わず刺青で即処分の流れのようなので、ちょっとモヤモヤする感じではある。宗教上の理由や、家庭の事情での刺青というのが日本社会では想定しづらいのは確かなのだが、ごく一部にはそうした特殊な事例があったりするのかなあ。
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by muzina-giku | 2012-05-20 00:45 | 時事

斬るものなんでもヤワラカ仕上げ
by muzina-giku
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