完璧
 なんだか分からんが、完璧なものを求めすぎているような気がするなあ。駄目なら駄目で、どこが欠けているのかを見極めて必要と感じたらステップアップをしてゆくべきだと思うんだけれど、やはりそこでも時間を惜しんでより安易な方法へと向かってるようにも感じる。

 昔読んだ小学生の作文教室を扱った本で、ある子は理科の観察文に類する文章を書くのが非常に巧みだったそうだ。一方、国語の授業でかかされるような作文、いわゆる「思った通りの事を思った通りに書きなさい」と要求されるような文章ではやや物足りない感じだったそうな。しかし、その教室の講師は「それも個性だし」と特に劣った部分への指導を強化する事もなかったと言う。
 御存知のように、「思った事を思った通りに」書かなければならない国語の授業向けの作文というものは、その建前に反して、求められている内容というのが元々決まっていて、そのため言われた通りに「思った通りに」書いたって、内容が基準を満たしてなければ撥ねられてしまうのが常だからである。だから、本人が本当に描きたいものを自覚して、それを表現する欲求を感じるまでは、その方面の指導を自粛したのである。

 そりゃあ「良い作文」が悪いわけではないが、それを書くべき執筆者は人生経験10年ほどの人間だ。描きたいという欲求が心のうちに湧き出るほどの濃い体験をしているかどうかも未知数であり、またその体験が生真面目な教育者にとって取り上げるのに「都合の良いもの」であるかも不明だ。
 でも、そこにもし濃い体験があれば、やがてそれを形にしたいという欲求が出てくるだろう。しかし、その時にすでにPTA的な志向によって作文技術がねじ曲げられてしまっていたら、そのことで失われる物が非常に惜しい。

 まあ、世の中では作文的な御立派な意見を書く技術ばかりではなく、事物を正確に描写し主観を廃して誰にでも伝わる文章の必要とされている場面も多い。そのような文章では、執筆者があまりに自分を排除してしまうので、「無味乾燥」「誰が書いても同じ」と思われてしまう事が多いのだが、こうした正確さと分かりやすさを両立させる文章というのは意外と技術が必要だ。
 だから学校で求められている作文的な文章が書けなくとも、事実を正確に書ける技術は充分にその子の力になるんじゃないのかな。
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by muzina-giku | 2009-09-29 23:53 | 雑記

斬るものなんでもヤワラカ仕上げ
by muzina-giku
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