発見された古い版木を使って浮世絵を再現するという番組を見ていた。
その番組中、一枚の絵を完成させるのに何枚もの版木を用い、何色もの色を重ねる工程を紹介する。それを評して「昔の技術、手間の掛けようは凄い」と評するゲストがいたのだが、そうとも限らないぞと思っていた。 パソコンで作業する絵師では、レイヤー機能を利用して一枚の絵を何層にも重ねて作成してゆくことがあるのだが、あの感覚が近いのである。また印刷所でカラーの印刷物を作成する際CMYKそれぞれの版に分解するが、その作業は版木を何枚も作る作業と意味的に同じだ。そのように考えると、浮世絵でやっていたことが、形を変えて現在でも生きているのだと感じる。 また無惨絵において、血色を刷るための版木に「ちのいろよろしく」とメモ書きがされていたそうで、これなんかも現代の18禁ゲームの制作現場で下絵の隅に「汁ダク」と記すのと似た話だよなあ。そんな風に見ると、江戸も現在も人間の活動というものはそれほど変化してないような気もする。 当時の浮世絵は非常に俗な物だったわけで、それが時代の推移と海外の評価によって、現代では芸術として取り扱われるようになったのである。 似た様なことが、現在のサブカルチャー周辺にも充分に起こりえるとは思うけれど、今の所は性犯罪ゲームに大騒ぎして欧州での販売禁止に至るという扱いなのだが。
by muzina-giku
| 2009-05-17 00:15
| 雑記
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